大国の駆け引きに翻弄されないために 「憲法改正、今年しかやれない」
ジャーナリストの櫻井よしこ氏が18日、松山市道後町のひめぎんホールで、「激動する世界と日本の進路」と題して講演し、国際社会の枠組みを日本がリードするため、また、朝鮮半島情勢をめぐる大国の駆け引きに日本が翻弄されないため、憲法を改正して自衛隊を軍隊として明確化しなければならないと訴えた。櫻井氏は「今、求められているのは憲法改正。今年しかやれない」と言葉に力を込めた。
櫻井氏は国際情勢について、「米国の前大統領、オバマ氏は『米国はもう世界の警察ではない』と紛争地への関与をやめ、現大統領のトランプ氏は米国第一主義を掲げている。言動がまるで違って見える2人だが、言っていることは同じ。2代続けて世界の秩序を作ってきた役割を降りた」とする分析を披露。こうした米国の姿勢の転換で、中国が南シナ海で軍事拠点を作り、ロシアはウクライナからクリミア半島を奪ったと述べた。
次に櫻井氏は中国の大国化について述べ、昨年10月の共産党大会で習近平国家主席が3時間20分に及ぶ演説で示した内容の一部を紹介した。「中国は2035年までに経済大国1位に、2050年ごろには軍事的に米国を追い越して世界ナンバー1になると言っている。ザクロを例に挙げ、中国が大きな堅い皮、他民族はつぶつぶの実のようになるのがよいと言っている。これは、中華の器の中に他の諸民族が詰められるということだ」と習氏の描く世界戦略に警戒するよう説いた。