米国を除く環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加11カ国が、継続協議として積み残した4項目のうち2項目を米国の復帰まで実施を先送りする「凍結」項目に追加し、昨年11月に合意した20項目と合わせて22項目を凍結する方向で最終調整に入ったことが17日、分かった。4項目のうち残りのベトナムが要求した労働分野の項目とカナダが求めた文化関連の項目の凍結は見送る方向だ。
東京都内で今月下旬に開催する予定の首席交渉官会合で最終的に異論が出なければ、協定文が確定し、3月上旬にも各国の署名にこぎつけることになる。
追加凍結する2項目は、国営石油会社への優遇を段階的に制限する手続きと、石炭産業への投資規制を見直す手続きで、それぞれマレーシアとブルネイが凍結を求めていた。
一方、ベトナムは労働分野のルール違反があった場合、他国が貿易制裁などを科す制度の凍結を要請したが、メキシコが反発した。
問題を解決するため、TPP担当の茂木敏充経済再生担当相は昨年12月にベトナム、今月上旬にはメキシコを相次ぎ訪問。両国が歩み寄れる仲裁案を提示したもようで、茂木氏は12日の記者会見で「埋められない溝ではない」と述べていた。関係国間で別途作成する補足文書に対応策を書き込むことで決着する見通しだ。