競馬で得た払戻金を申告せず、約6200万円を脱税したとして所得税法違反罪で在宅起訴された大阪府寝屋川市職員の中道一成被告(47)=休職中=の初公判が16日、大阪地裁(村越一浩裁判長)で開かれた。中道被告側は脱税行為は認めながらも「見せしめ的で著しく不平等」と起訴の違法性を主張し、公訴棄却を求めた。
検察側は冒頭陳述で、中道被告が競馬雑誌などを参考に勝馬投票券(馬券)を購入していたことから、当たり馬券の購入費しか経費にできない「一時所得」にあたると指摘。払戻金を得た後に自分が支払うべき納税額を調べており「納税義務があることを認識していた」と述べた。
中道被告は現在は納税を済ませているといい、弁護側は「刑罰は過大な制裁」とも主張した。
起訴状などによると、中道被告は、日本中央競馬会(JRA)が指定する5レースで1着馬を全て当てる「WIN5」で平成24、26年、計約2億8千万円の払戻金を受け取るなどしたのに、課税所得約1億6千万円を申告しなかったとしている。