【カウナス=田村龍彦】欧州歴訪中の安倍晋三首相は14日午前(日本時間14日午後)、リトアニアのカウナスを訪れ、先の大戦中にユダヤ人難民を救った「命の査証(ビザ)」で知られる外交官、杉原千畝(ちうね)氏の記念館を視察した。
大戦中にカウナス領事館に副領事として勤務していた杉原氏は、ナチスの迫害を逃れたユダヤ人に日本通過ビザを発給し、多数の命を救ったことで知られる。記念館はカウナス領事館の事務所部分を改装したもので、杉原氏が発給したビザのリストなどが展示されている。安倍首相は視察後、記者団に「世界中で杉原さんの勇気ある人道的行動は高く評価されている。同じ日本人として誇りに思う」と強調した。
安倍首相は13日午後(同14日未明)のスクバルネリス首相との会談で、杉原氏の行動は人道的に重要な意義があるとの認識で一致。会談後は「杉原氏の勇気ある行動は国際秩序がさまざまな形で挑戦を受ける今日をどう生き抜くか重要な視座を与えてくれる」と語っている。