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中国・超高層ビル転落死の波紋…「自撮り」の悲劇は世界各地で

 自撮りをめぐる問題が世界各地で起きている。中国では超高層ビルから転落死した男性が、自撮り動画で病気の母の治療費を稼ごうとしていたと報じられた。イラクではミス・ユニバースの代表がイスラエル代表と撮った写真で脅迫を受け、家族が国外に逃げる憂き目にあった。インドでは、野生ゾウに押しつぶされる事件が頻発している。

62階建てビルの縁で懸垂

 中国紙チャイナ・デーリーなどによると、湖南省長沙市の62階建てビルで昨年11月8日、屋上の縁に手を掛けて懸垂するパフォーマンスをしていた呉永寧さん(26)が手を滑らせて落下し、死亡した。

 呉さんは超高層ビルやタワーで危険な離れ業を行う「ルーフトッパー」として知られていた。命綱なしでの逆立ちや回転などを撮影して投稿し、ソーシャルメディアで130万以上のフォロワーを得ていた。

 呉さんの動画投稿がストップしたため、フォロワーの間で事故の発生を懸念する声が出ていたところ、呉さんの恋人が約1カ月後、SNSに死去を書き込んだことで明らかになった。

 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストなどは、呉さんは貧しい家庭で育ち、今回の動画で10万元(約170万円)の賞金を得ようとしていたと報じた。呉さんはこれを、精神的な病で入院する母親の治療費にあてたいと話していたという。また恋人はこの挑戦のあとにプロポーズされることになっていたとし、結婚費用を稼ぐ目的もあったと述べた。

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