昨秋の舞台、スーパー歌舞伎II(セカンド)「ワンピース」で、左腕を骨折した市川猿之助に代わり、主役ルフィを堂々とやり遂げた若手歌舞伎俳優、尾上右近(25)。2月26日、歌舞伎座(東京都中央区)で催す「延寿會」で、江戸浄瑠璃清元節の清元栄寿太夫を七代目として襲名し、二足のわらじをはく。同時に兄で清元三味線方の清元昂洋(たかひろ)(33)も、初代清元斎寿を襲名する。
「歌舞伎も清元も両方好き。(襲名を)お許しいただいたからには人の2倍、努力したい」と意気込む右近。曽祖父が名優の六代目尾上菊五郎で、父は清元節家元・清元延寿太夫という家庭に育ち、幼い頃から俳優修業とともに、清元の稽古を続けてきた。公演は太夫として、また俳優として、2つの顔を見せる内容。
第1部(開演午前10時半)では、栄寿太夫と斎寿が「助六」で襲名披露。続いて尾上右近としても舞踊「四季三葉草」を尾上松緑(しょうろく)、中村壱太郎(かずたろう)と踊る。