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野菜の高騰が続いている。農林水産省が10日発表した食品価格動向調査によると、昨年12月の最終週(25〜27日)はレタス1キロ当たりの全国平均小売価格が平年に比べて約2・4倍の1230円となったほか、白菜や大根、キャベツも約2倍の高値となった。葉物野菜は鍋料理やおでんに欠かせないが、高値は春先まで続く見通しで、家計を直撃しそうだ。
価格高騰は、昨年10月中旬の長雨と11月下旬の低温の影響で生育不良となったことが原因。降雨は地域差が大きいが、低温は全国的に広がったため、影響を受けやすいレタスは主要生産地の静岡や兵庫などで軒並み打撃を受けた。
白菜や大根も例年なら割安感が出る冬場にもかかわらず、価格が上昇。白菜の主要生産地である茨城県は「小さいまま出荷する農家も多く、出荷量の伸び悩みにつながっている」と頭を抱える。
カット野菜や外食産業向けに業務用の需要が伸びていることも、高騰に拍車をかけている。中でも単価の安い白菜は飲食店の需要が大きく、「メニューが固定されている以上、高値でも量を確保する」(農水省)ため、家庭に届きにくい状況は当面続きそうだ。
価格が落ち着くには、時期をずらして生産されたものが出荷されるのを待たなければならない。農水省は大根やレタス、キャベツなどは1月下旬、白菜は3月まで高値が続くと予想するが、「寒さが続けば、さらに長引く恐れもある」と気をもんでいる。