【正論】祈りは遺伝子を「活性化」する 慈悲の心が免疫機能の強化につながる 筑波大学名誉教授・村上和雄(2/4ページ) - 産経ニュース

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正論

祈りは遺伝子を「活性化」する 慈悲の心が免疫機能の強化につながる 筑波大学名誉教授・村上和雄

 先に述べたマインドフルネス瞑想の研究では、宗教的要素を取り除いた瞑想様式にしている。しかしわれわれは「宗教的な祈りや瞑想」をそのまま研究対象にした。なぜなら「祈りや瞑想」は単なるリラクセーションや集中力アップの手段ではなく、大自然と調和した一体感や神仏との合一体験などの意識状態の変性を伴うものであり、そこに「祈りや瞑想」の本質があると考えたからである。

僧侶は身心の感受性が強い

 まず、祈りや瞑想が身心にどのような影響を及ぼしているかを調べるため、日常的に祈りや瞑想を実践している高野山真言宗僧侶における遺伝子発現の活性化(オン・オフ)の検討を行った。

 すべての生き物は、生命活動に必要な遺伝情報を、DNA(デオキシリボ核酸)という化学物質の配列(塩基配列)として暗号化している。この遺伝情報を遺伝子という。

 時間や環境の変化に応じて必要な遺伝情報を取り出す仕組みとして、遺伝子の発現をスイッチのようにオン・オフしながら調節している。すなわち、「オン」とは遺伝子の発現が活性化している状態、「オフ」とは遺伝子の発現が弱まる、あるいは停止した状態である。