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平成28年から29年にかけて、国有地を管理する財務省関東財務局に、国有地の売却に絡む架空の投資話に関する相談や問い合わせが多数寄せられていることが9日、関係者への取材で分かった。仲介業者を名乗る人物が企業経営者らに、財務省などの中央省庁の元キャリア官僚との関係を強調し、「投資金を支払えば優先的に土地を取得できる」などと誘いかけるケースが目立つという。投資金をだまし取られる詐欺事件に発展する可能性もあり、同局が注意を呼びかけている。
財務省関東財務局によると、土地取得に関する複数の相談や問い合わせがあったのは、いずれも東京都新宿区百人町に所在する「百人町住宅」「百人町第2住宅」「西戸山住宅」と呼ばれる3つの国家公務員宿舎。
国有地であるこれらの物件について、28年から昨年にかけて、複数の企業や個人に、「宿舎を取得したので今後の開発に投資しないか」「売却された宿舎を転売するので投資しないか」といった内容の虚偽の投資話が持ちかけられていた。品川区や杉並区、足立区、渋谷区などに所在する国有地についても、同様の相談を複数確認した。
関東財務局の担当者は、「話が持ちかけられた時期や内容が似通っており、多くが架空の投資話とみられる」と指摘。国有地について、一般競争入札での売却が前提で特定の個人や企業に随意契約で売却されることはないという。
投資金の詐取被害につながる恐れもあるとして、同局はホームページなどで注意を喚起している。