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赤い腹見せる空母、沈みながら機関砲撃ち続ける巡洋艦…日本海軍の最後呉軍港空襲 元海軍兵が見た地獄絵図

 「軍港は海底が浅いため、小さな駆逐艦などは海の中へ沈没していきましたが、巨大な戦艦や空母は横転し傾きながら沈み、艦底の腹を見せた状態で次々と着底していったのです。あまりにも悲惨で無残な光景でした…」

最後の抵抗を知る電信

 鳳翔の舷窓から山本さんが目撃した呉軍港の惨劇は地獄絵図のようだったという。

 「巨大な空母『天城』が傾き、艦艇の赤い腹を見せながら沈んでいく姿に、悔しくて奥歯をかみしめながらも、こう悟りました。もう誰1人生き残ることはできないだろう…」

 そう思った次の瞬間、通信態勢を取っていた山本さんの耳にヘッドホンから、こんな電信が飛び込んできた。

 「巡洋艦『大淀』が沈みながら、まだ機関砲を撃ち続けている…」と。

 轟音にかき消されながら途切れ途切れに聞こえてくる電信に山本さんは込み上げてくる涙をおさえることができなかったという。

 「遂にこの呉で日本海軍は全滅するのだ…」

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