「俺の方がでかい」
米国では早くも仕事始めの今月2日、トランプ大統領が「書き初め」とばかりに立て続けに発信した16本のツイートの中にこの文言を見つけたときは、不覚にも笑ってしまった。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日の「新年の辞」で「核のボタンが私の机上に常に置かれている」と述べたのに対し、トランプ氏は「俺も核のボタンを持っているが、やつのよりもでかくて強力だ」と書き込んだ。
米大統領がいついかなるときでも核攻撃の命令を下せるよう手元に置いているのは、発射ボタンではなく核兵器の発射コードだ。大統領に随行する軍事顧問が肌身離さず持ち歩いている、核兵器の発射許可に必要な道具が入った黒いブリーフケース「核のフットボール」の中にも「核のボタン」は存在しない。トランプ氏は金氏の発言に対抗する形で米国の核戦力をボタンになぞらえたのだ。
いずれにせよ、ネット上では「男性器の暗喩では」との指摘が相次いでいる問題のツイートは、「米国が脅しに屈しないことを明確にする狙いがあった」(ペンス副大統領)というよりは、もはや全世界を笑わせにかかった「パフォーマンス」との疑念すら抱かせる。