防衛省、サイバー攻撃対処にAI導入 2021年度に運用開始へ

 防衛省がサイバー攻撃への対処能力を強化するため、平成33年度をめどに自衛隊サイバー防衛隊の情報通信ネットワークを防御するシステムに人工知能(AI)を導入する方針を固めたことが6日、分かった。来年度から2年間の予定で調査研究を実施し、31年度はソフトウエア開発にも着手、33年度の運用開始を目指す。政府全体のサイバー防衛にもAI活用を広げることも視野に入れている。

 自衛隊がサイバーセキュリティーにAIを応用するのは、未知のウイルスの検知や将来の攻撃予測などに役立てるのが狙い。30年度予算案に調査研究費8千万円を計上し、サイバー防衛やAIの先進国である米国、イスラエルなどの最新技術を参考にする。

 33年度の運用開始を目指すシステムに関しては、AIの「深層学習(ディープ・ラーニング)」と呼ばれる機能を活用し、マルウエア(悪意あるソフト)解析の効率化を図る。

 これまでのウイルス対策はサイバー攻撃パターンのリストを作り、通信時に照合していた。AIの深層学習では、過去のサイバー攻撃の共通点や特異な動きを発見し、傾向を分析することで、ウイルスの検知率向上につながるという。また、サイバー攻撃後の異常を探知するため、AIに平時の通信ネットワークの状態を学習させるソフトウエアの開発も目指す。