クローズアップ科学

「神岡から3つ目のノーベル賞を」東大宇宙線研究所長・梶田隆章氏 ハイパーカミオカンデに懸ける夢

宇宙誕生の謎に迫るハイパーカミオカンデ計画

ニュートリノ研究で世界をリードする東大宇宙線研究所が次に目指すのは、世界最大級の観測装置であるハイパーカミオカンデの建設だ。2026年度以降に稼働させ、素粒子物理学の新たな地平を切り開き、物質の起源や宇宙誕生時の姿に肉薄しようとしている。

20階建てに相当

計画によると、ハイパーカミオカンデはスーパーカミオカンデがある飛騨市神岡町の山中の地下650メートルに建設する。直径74メートル、深さ約60メートルと20階建てのビルに匹敵する巨大な水槽で、約26万トンもの水を蓄えることができる。地下深くに設置するのは、観測を妨げる余計な粒子が飛び込むのを岩盤で防ぐためだ。

水槽の内壁には「光電子増倍管」という光センサーが隙間なく4万個も並べられ、ニュートリノなどが水の分子と衝突した際に生じる微弱な「チェレンコフ光」をとらえる。

小柴昌俊氏が超新星爆発に伴うニュートリノを観測してノーベル物理学賞を受賞した「カミオカンデ」、梶田氏が成果を挙げたスーパーカミオカンデに続く3代目の装置で、水の量は現在の約5倍に増える。

巨額の総工費675億円をどう確保するかが課題だが、完成すれば世界をリードする一大研究拠点となることは間違いない。米国では一足先に同様の成果を目指す施設の建設が始まっており、遅れは許されない。

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