髪を失った子に笑顔を-柴咲コウさんも賛同、切った頭髪でウイッグ提供「ヘアドネーション活動」 大阪のNPO法人10年

2600の美容室賛同 転機は柴咲さんの寄付

 ジャーダックが活動を始めたのは平成20年11月。渡辺さんらが美容室を開業する際、「美容師が社会で果たせる役割はないか」と考え、米国でボランティアとして行われていたヘアドネーションを始めた。だが知名度の低さから、送られてくる髪は月に1人程度。ようやく24年、初めてのウイッグを提供した。

 転機は27年に柴咲さんがロングヘアをばっさりと切り、髪を寄付したこと。寄付は約3倍にまで急増した。有名なタレントやモデルも後に続き、支援の輪は全国に広がった。

 現在は、北海道から沖縄県まで約2600の美容室が賛同し、個人の寄付も合わせて毎月2000〜2500人分の髪が届く。

「自分に戻れた」自然な髪は衣服と同じぐらいの必需品

 「久しぶりに自分の本当の笑顔を見た」。ある小学3年の女の子の場合、ウイッグを受け取り、約1年ぶりに美容院でウイッグをカットしたとき、こう喜んだという。

 渡辺さんは「子供たちは髪がないというだけでいじめられたりする。家に引きこもりがちにもなってしまうが、もったいないし、悲しい。自然なウイッグは衣服と同じような必需品なんです」と、ヘアドネーションの意義を強調する。

 ヘアドネーションが注目されるのは善意があってこそ。だが、その背景には「病気への差別や偏見があるから」といい、「ウイッグがないと生きにくい世の中であることも問題。病気への理解が深まってほしい」と話していた。

会員限定記事会員サービス詳細