囲碁の言葉たち

「一目置く」「駄目」「八百長」…実は囲碁由来の何げなく使っている言葉 現代の日常でも

 「一目置く」「駄目」「八百長」…。普段、日常何げなく使っている言葉の中には、意外に囲碁由来のものが多い。囲碁が日本に渡ってきたのは1千年以上前と歴史は古く、長く親しまれてきたことの証しだ。昨年は井山裕太十段(28)が2度の七冠独占を果たし、政府が国民栄誉賞授与を検討しており、囲碁・将棋界は盛り上がった。さて、今年のさらなる人気の「布石」になるか。   (中島高幸)

歴史や文化と密着

 囲碁は日本の歴史や文化と密接に関わり、囲碁由来の言葉が現在も日常的に使われるようになった。

 その代表的なのが、「駄目(ダメ)」。囲碁は2人のどちらかが黒い石、もう1人が白い石で交互に打ち、いかに広い陣地を囲うかで競う。駄目は、石を打っても陣地が増えない場所のこと。転じて、「効果がない」「役立たない」ことを表す意味で使うようになった。

 ちなみに「駄目押し」は、終局後、互いが念のため駄目に石を埋め合って勝敗を確認することで、万が一のために確かめる、またはすでに十分なのにさらに追加する意味となった。

 相手に敬意を表し、一歩譲る「一目置く」。囲碁では、弱い方が先に石を一つ置いて始めることからきている。

 碁石にちなんで石を使う言葉も多い。将来に備えて準備するという意味の「布石」も囲碁由来だ。囲碁はゲームが進めば打ってはいけない場所が出てくるが、序盤は基本的にはどこに石を打ってもいい。本格的な戦いが始まる前に勢力圏を築くために石を配置することをいう。

会員限定記事会員サービス詳細