「包丁は前に押すように」「魚は塩を振って水気を拭き取ると臭みが抜け、ふっくら仕上がる」
都内のマンションの一室で、会社帰りの30〜40代の男性8人が熱心にメモを取りながら料理の手ほどきを受けている。教えているのは、パパ料理研究家でビストロパパ(東京都港区)代表の滝村雅晴さん(47)。今年11月に父親を対象とした「パパの料理塾」を開講した。
「おなかが減ったときに自分のために作るのが男の料理。パパ料理は妻や子供に食べてもらうために作る家庭料理」と、滝村さんは定義する。
料理塾は、お酒を飲みながら打ち解けたムードで参加者が協力して料理を作り、食事を楽しんだ後、分担して後片付けまでしっかりやるのがルール。習った料理を再現して家族に食べてもらい、SNSで報告することも「約束事」にしている。参加した都内在住の会社員(35)は「家族に喜んでもらいたくて参加した。基本を教えてもらえるので料理の幅を広げられそう」と感想を語った。
滝村さんは外食などで魚のおいしさを知っている父親にこそ魚介料理で腕を振るってほしいと考えている。「海に囲まれた自然の恵みである魚のおいしさと、大切な日本の魚食文化を子供にきちんと教えてほしい」と話す。