ボクシング

たくましさ増した田口が王座統一 内山高志さん引退でリーダーの自覚

12Rを戦い終えた田口良一=昨年12月31日、東京・大田区総合体育館(撮影・矢島康弘)
12Rを戦い終えた田口良一=昨年12月31日、東京・大田区総合体育館(撮影・矢島康弘)

 試合終了のゴングが鳴った瞬間、勝利を確信した田口は両手を突き上げた。ともに流血したメリンドとの激闘を大差の判定で制し「これでいい正月が迎えられる。もうちょっと何かやりたかったが、2つのベルトが取れた。及第点」。2本を両肩に巻いた31歳は誇らしげに語った。

 相手は昨年5月に八重樫東(大橋)から1回TKOで王座を奪取した強敵。入りには警戒していたはずが、1回終盤に強烈な左アッパーを浴び、リズムを狂わされた。それでも防衛を6度重ねてきた王者は「2回は絶対に取ろう」と気持ちを切り替えて反撃。ジャブを有効に使い、すぐに戦況を立て直してみせた。

 その後は一進一退の攻防を展開。ただ頭を切った9回を完全に失ったと感じた石原雄太トレーナーは「残り3回を取らないと勝てないぞ」と一喝した。スイッチの入った田口は「気持ちの勝負」と前に出てパンチを重ね、白星を引き寄せた。

 たくましさを増した理由は世界王座を11度防衛し、昨年7月に引退したジムの先輩、内山高志さんの存在。「自分が新たに引っ張らないと」とジムを牽引する意識が生まれ、逆境にも動じなくなった。KOを逃し、「発破をかけられる前にいければ」と悔やんだが、解説者席から見守った内山さんは「統一戦の相手は強いし、KOだけがボクシングじゃない。メンタルが強くなっている」と後輩をねぎらった。(奥村信哉)

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