Faceちば 2018新春 人物記

千葉経大付属高・切石結女さん(18)

 ■「ソフトの星」2020東京へ疾走 8月県内で世界選手権

 真夏の千葉が今年、例年以上に熱くなる。2年に1度の世界女子ソフトボール選手権が20年ぶりに日本で開催され、県内の4会場で世界最高峰のプレーが繰り広げられる。ソフトボールは2020年東京五輪競技に復活し、2年後に向けた「前哨戦」。2008年北京大会以来の五輪金メダルを目指す日本に、本県の「若き才能」がメンバー入りしようとしている。船橋市出身で千葉経済大学付属高3年、切石結女(ゆめ)さん(18)。世界の舞台での飛躍に期待が集まる。(長谷裕太)

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 「自分の一番の武器は肩の強さ。どんどんランナーを刺す。自分の持ち味をアピールしていきたい」。濁りのない真っすぐな瞳で、そう言い切った。

 高校生ながら日本代表に選出され、今年8月に県内で開催される「第16回世界女子ソフトボール選手権大会」へのメンバー入りも期待される若き天才。虎視眈々(たんたん)と次なる舞台を狙う。

 小学校時代は少年野球に熱中。男子の中に交じり、一塁手として白球を追い続けた。「当時は性別を意識することはなかったけど、絶対に負けたくないという気持ちをずっと持っていた」と振り返る。小6のときには、倍率約22倍の難関をくぐり抜け、千葉ロッテマリーンズジュニアにも選出されるなど、当時から才能を発揮していた。

 ソフトボールとの出合いは中学の部活動。「ちょうどポジションが空いていたから」という理由で捕手への転向も決めた。はじめは野球とボールのサイズや距離感に違和感があったが、練習量ですぐに適応、レギュラーをつかむまでそう時間はかからなかった。

 中学卒業後は強豪、千葉経大付に入学。佐藤洋介監督は第一印象を「この子は違う、別格だと思った」と語る。その予感は的中する。1年時から中心選手として活躍した。平成28年に部として初となる全国選抜とインターハイの春夏連覇の偉業達成にも貢献。昨年は国体に県代表として出場、チームを1位に導いた。

 日本代表に初めて選出されたのは28年冬。「ただびっくりした。まだ遠い舞台だと思っていた」。キャンプ中は普段と違う環境に戸惑い、「なかなか自分のアピールポイントを出せない部分があった」と明かす。世界で戦う仲間やライバルたちの姿を見て、「スピード感とパワーが全く違う」と自分の未熟さを感じた。

 国際試合の出場経験はないものの、招集されたキャンプの中で多くの発見があったという。夜のミーティングで、先輩捕手たちのリード面の考え方を学んだ。試合では世界で戦うレベルの動きを肌で感じた。

 「見ている時間も長かったが、学ぶことは多かった。無駄だったことは一つもない」と断言。「まずは身体を作ること。特に下半身から」と、自らに課題を言い聞かせる。

 4月からは日本リーグ女子1部のトヨタ自動車への入団が内定している。「社会人という一つ上の舞台での勝負になるし、世界大会という目標もある。意識しないわけにはいかない」

 トヨタには、2008年北京五輪で正捕手として金メダル獲得に貢献した峰幸代選手というお手本がいる。木更津総合高校出身の地元の先輩でもあり、吸収し尽くすつもりだ。

 「チームでも代表でもどんどんアピールする。まずはレギュラーとして、試合に出たい。ルーキーイヤーから勝負をしていく」。周囲からの期待以上に、自らも胸が高鳴る2018年が幕を開けた。

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 「Faceちば 2018新春 人物記」は、今年活躍が期待される千葉にゆかりのある人たち、注目されそうな県民の意気込みを紹介します。次回は8日に掲載する予定です。

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 ■16チーム参加 8月2日開幕

 大会には各大陸予選を通過した16チームが参加。開催国の日本のほか、オランダ、イタリア、イギリス=ヨーロッパ地区▽アメリカ、カナダ、メキシコ、ベネズエラ、プエルトリコ=北中南米地区▽オーストラリア、ニュージーランド=オセアニア地区▽フィリピン、台湾、中国=アジア地区-と、1月に出場国が決まるアフリカ地区の2チームが参加する。

 大会は県内4球場で実施。16チームを2ブロックに分けた総当たりの予選リーグを行い、勝ち抜いた各上位4チーム、計8チームによる決勝ラウンド(敗者復活戦を含むダブルページシステムプレイオフ)で優勝を決める。

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 ■日米2強が軸 優勝すれば五輪切符

 日本は大阪大会で初優勝を飾り、2012、2014年とこれまでに過去3回優勝。準優勝は5回。最多は米国で10回の優勝を誇る。今回の千葉大会もWBSCランキング1、2位の日米の「2強」を軸にトーナメントは進みそうだ。

 ランキング上位の豪州やカナダ、アジア勢では台湾も力を付けており、2強をどこまで脅かせるかが見どころ。優勝チームは、東京五輪の出場権を獲得する。

 東京五輪の前哨戦としてホスト国・日本にとっては「優勝が至上命令」(井之上事務局長)。昨年は延べ100日を超える合宿で強化を図ってきた。代表候補30人から、世界選手権登録メンバーは17人に絞られ、4月中にもその布陣が正式に発表される見通し。

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【用語解説】ソフトボール世界選手権

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)主催の女子ソフトボールの世界一決定戦。1965年に初開催で70年からは4年ごとに、2010年の第12回大会からは2年ごとに開催。日本では1970(昭和45)年の大阪、98(平成10)年の静岡に続き3回目の開催となる。

 2020年東京五輪種目となる女子ソフトボールは6チームで争われ、16チームが出場する世界選手権は、真の王者決定戦としてハイレベルな戦いが期待できる。大会組織委事務局の井之上哲夫事務局長(県ソフトボール協会理事長)は「一流のプレーを目の前で見ることができる貴重な機会」と話している。

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