ニッポンの議論

ベーシックインカム制度「創造性の基盤に」「地域版での実験を」

インタビューに答える慶応大院教授の岸博幸氏(左、飯田英男撮影)と経済アナリストの森永卓郎さん(右、桐山弘太撮影)=いずれも東京都内
インタビューに答える慶応大院教授の岸博幸氏(左、飯田英男撮影)と経済アナリストの森永卓郎さん(右、桐山弘太撮影)=いずれも東京都内

 政府が毎月、国民に一定額の現金を無条件で支給する「ベーシックインカム」が世界各地で議論となっている。試験導入はフィンランドをはじめ、欧州や米国の一部地域で実施されている。急速に発達する人工知能(AI)が人々の職を代替すると予想され、人口減少や高齢化の進行とともに社会保障費は増え続ける。これらの課題の解決策となるか。獨協大教授の森永卓郎氏と、元官僚で慶応大大学院教授の岸博幸氏に、制度導入の是非を聞いた。

(板東和正、岡田美月)

森永氏「『人の創造性』の基盤に」

 --ベーシックインカムの導入が議論されている

 「導入に賛成だ。第4次産業革命とも呼ばれるAI(人工知能)分野での技術革新が始まり、人の仕事がどんどんロボットに置き換えられる。野村総合研究所は10〜20年後、日本の約2人に1人はAIに仕事を奪われるとの試算を出した。知的労働も例外ではなく、三井住友銀行がAIを使って顧客ごとに最適な金融商品を提供していけるよう研究開発を進めている。失業者は確実に増え、一定の収入を政府が与えないと飢え死にする国民が出る」