北朝鮮が日本にミサイルを発射したらどうなるのか 軍事アナリストが教える有事の対処法

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北朝鮮が日本にミサイルを発射したらどうなるのか 軍事アナリストが教える有事の対処法
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北朝鮮の弾道ミサイルが北海道上空を通過した際、全国瞬時警報システム(Jアラート)の緊急情報を受けて地下への避難など身を守る行動を取った人は5%台にとどまったことが、政府が12月13日に公表したインターネット調査で明らかになった。半数近くが「意味がないと思った」。が、実際、弾道ミサイルはどのように飛んできて、果たして避難には本当に意味がないのか。元自衛官で危機管理に詳しい軍事アナリスト、西村金一氏(65)=軍事・情報戦略研究所所長=に話を聞いたら、自筆のイラストとともに解説してくれた。

北朝鮮は四半世紀前から日本標的

《日本の弾道ミサイル防衛は2段構えだ。海上自衛隊のイージス艦に配備されている迎撃ミサイルSM3と、日本国内にある航空自衛隊の地対空パトリオットミサイルPAC3。SM3は、弾道ミサイルを宇宙で破壊し、PAC3は、大気圏に再突入してきたところを迎え撃つ》

--弾道ミサイルが撃ち込まれる可能性はあるのか?

「僕はあると思います。日本に届く中距離弾道ミサイル『ノドン(蘆洞)=火星7号』は、1993年に最初の発射実験が行われました。そのころは内閣府の調査課というところにいたのですが、でも、日本海の真ん中ぐらい、500キロぐらいしか飛ばなかった。だから、(旧ソ連が開発した短距離弾道ミサイル)スカッドかな…とも思った。あるいは、ノドンかもしれないなと。

軍事アナリスト、西村金一さん自筆のイラストによる対艦弾道ミサイルと対艦ミサイルの違い
軍事アナリスト、西村金一さん自筆のイラストによる対艦弾道ミサイルと対艦ミサイルの違い

その後、ノドンの射程圏は東京を含む1300キロという分析がなされ、迎撃ミサイルの研究が始まった。つまり、北朝鮮は、四半世紀前から日本に飛ばそうとして、日米は、それに対する研究をその間、行ってきたということです」

撃ちもらしは出てくる

--迎撃システムで防げますか?

「PAC3での迎撃実験を40回ほどしました。PAC3の射程範囲(守備範囲)は半径20キロ。10キロ以内に飛んでくれば、100%防げます。最初のころは2回失敗したけど、そのあとは全部成功しているので。普通の弾道で飛んでくればね」

--では、安心ですね

「飛んでくるのが、1発か2発なら大丈夫です。ただ、北朝鮮もそうだけど、ミサイルを持っている国は、いろいろと工夫する。絶対にミサイルを撃ち込みたいので。北朝鮮は、ノドンを200発、発射台を50機持っている。つまり、50発を同時に撃てるということです。するとイージス艦にあるSM3でまず撃ち落とし、撃ちもらしたミサイルをPAC3で迎撃したとしても、対応できないケースが出てくる可能性がある」

「実験結果は100発100中に近くても、いろんな角度で撃たれたとすると、命中する面積が小さくなる。弾道ミサイルは、すごいスピードです。巡航ミサイルの10倍、時速800キロは、もう飛行機のように目で見ることはできない。しかも、本当の戦争になったら、狙われるのは大都市です。しかし、PAC3の守備範囲から、外れるところがある。現在、大阪や仙台にはPAC3はありませんから、守れるわけがない」

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