2017ネット騒がせたニュース

座談会で決まった今年の中心は「黒電話!」ワガママで挑発好き

 朝鮮半島D「そうねぇ‥、北朝鮮は時々『何これ?』『はあ?』と思わず苦笑いをしてしまうようなチョンボ写真を配信してきますね。16年1月8日に北朝鮮の朝鮮中央テレビが潜水艦弾道ミサイル(SLBM)の発射映像なるものを公開しました。水中から発射されれば当然、水しぶきもあがらないといけないのですが、それがまったくあがっていないことから、海上に浮かべたフロートに発射台を載せて、そこから発射したものではないかと疑念の声が出ました」

 司会「昔の特撮映画のような涙ぐましいような演出ですね」

 朝鮮半島D「その数カ月後の4月24日、SLBMの水中試射発射に「再び成功した」として、ミサイルの写真も公表しました。この写真ではちゃんと水しぶきがあがっていて、確かに水中から発射されたと推測されるんだけど、問題はその場所なのよね‥。背景に山が写っていて、山に囲まれた湾内で試射が行われたとみられているけど、この写真にも専門家は『そんな浅瀬で潜水艦は潜れない』と否定的。『恐らく潜水艦ではなく、水中にミサイル発射管を沈めて、そこから発射させたのではないか』と指摘していました」

 司会「それは詰めが甘いですね」

来年はどうなる?北も“火”に飛び込む愚は避けるか?

 司会「最後に来年の見通しをそれぞれに聞きたいと思います」

 欧米D「2018年は米中間選挙があるよね。リスク計算をすれば、トランプ政権側から重大な戦略を仕掛けることはないと思う。そして、北朝鮮もあえて火に飛び込む愚は避けるだろう。ただ、すべては『偶発的事件』が発生するかによるだろうね」

 朝鮮半島D「軍事アナリストが、北朝鮮と米韓合同軍の軍事力を比較していたのが興味深かった。海軍は北朝鮮の『1』に対して米韓合同軍は『60』、空軍は北朝鮮の『1』に対し、米韓合同軍は『9』の実力という。これだけの差があるのだから、北朝鮮は本気で戦争をするつもりはないと思う。ただ、偶発的に軍事衝突が起きる可能性はやっぱり否定できないでしょうね」

 司会「中国はどう動きますか?」

 中国D「中国が考える最大の国益は『現状維持』。だから、積極的に動くことはないと思う。でも、米国を中心に国際社会からの圧力が強まれば、追加制裁をすることがあるかもしれないけど、圧力が弱まれば制裁もすぐに骨抜きになる。来年もその繰り返しだと考えた方がいい」

 朝鮮半島D「今年と似たような展開になるということですね」

 中国D「そもそも、北朝鮮の金正恩氏が、核・ミサイル開発を続けた目的は戦争ではなく、米国との対話を模索するため。中国もそのことがよく分かっていますよ。あと数回の実験を繰り返せば、小型化した核弾頭を載せたICBMが米国本土に届くようになって武器開発は完成する。トランプ政権はそれを阻止したいだろうけど、中国が北朝鮮をかばっているためなかなかそうならないのが実態だ。結論として、非常に残念なことですけど、瀬戸側外交を展開した北朝鮮が最後に勝利する可能性もある。北朝鮮が核兵器の開発を終えれば、米国は自国の安全を考慮して北朝鮮との対話に応じる可能性がある。対話を開始すれば、北朝鮮を核保有国として実質、認めることになる。日本国内で北朝鮮の脅威に対して『最終的に米国は何とかしてくれる』とか『中国が本気で制裁すれば北朝鮮が核開発をやめるかもしれない』といった他力本願的な考えがいまだに主流ですけど、国際政治の現実は厳しいですよ。突然、核保有国となった隣のならず者国家により脅される国を想定して、核武装の可能性も含めて対抗策について国会で早急に議論をはじめるべきでしょう」

 朝鮮半島D「韓国でも『緊張慣れ』というか『対北朝鮮免疫』といったものがあるけど、日本も脅威に対してしっかりとした認識を持つ必要はありますね」

 司会「ところで、ネットで金正恩氏がなんて呼ばれているかご存じですか?」

 欧米D「黒電話(笑)。あの髪型が似ているということだね」

 中国D「それにしても黒電話と名付けた人はセンスがいいですね。脱帽です。本人は知っているんでしょうかねえ」

 司会「各デスクの話を聞いて、来年も国際ニュースは忙しそうだということが分かりました。黒電話がニュースの中心になりそうですね…」

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