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サラ・カサノバ日本マクドナルド社長の巻 地獄を見た外国人社長が果たした奇跡の復活劇

印象が示した回復への覚悟

 ビックリ仰天とはこのことです。218億円の赤字をどうするかという課題を抱えながら、高圧的なイメージを一新して低姿勢で投資家や株主、そしてマクドナルドを食べている日本中の人にきちんとおわびをした形です。面白いのは2回の会見とも「I apologize(申し訳ありません)」という英語が使われていますが、活字に起こせば同じ文章なのに印象が180度変わったことです。

 前回は自己主張だったものが2回目はおわび、謝罪という印象を強く出していました。これが「もう一度、企業努力を徹底的にする」という彼女の約束となり、それに答えて多くの人に「じゃあ食べてみようか」と思わせたのでした。

 それから改革(カイゼン)は一気がいいということです。いくら上手に謝っても何も手を打たなければ赤字はそのまま増え続けたでしょう。しかし、マクドナルドは昨年12月期決算で3年ぶりの黒字に転じました。いろいろなことをやったのです。われわれが知っているだけでも、昨年4月、「グランドビッグマック」という新商品を出し、供給が追いつかないほどの人気を集めました。7月にはスマートフォン向け人気ゲーム「ポケモンGO」と連携し、また、555店舗を改装しました。このような施策を一気にやったことが功を奏したのでしょう。

リーダーの自己表現はガラス板の上

 どうしても赤字の中でカイゼンをすると一つだけ、あるいは半分だけという小手先直しに終わることが多いのですが、マクドナルドの場合、代表の謝り方から始まり、店舗・商品、流通のための手段とすべてを一気に変えました。おそらく黒字化の成功要因はこんなことが一気に行われたからでしょう。

 もちろん、世の中はいつだって斜めからの目線で人のやることを見る人がいますから、「店舗数が減ったからそのまま回復軌道に乗るのかしら」「彼女は社長を続けることができるのかしら」など、巷ではたくさんの説や疑問が出てきます。ということは、それだけマクドナルドに注目が集まっているということ。カサノバ社長の手腕にも注目が集まっている。どんな注目だって、ないよりはあったほうがビジネスにはプラスではありませんか。失敗するかしないかはやってみないと分からない。

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