主張

日韓合意の「検証」 もう責任転嫁は許さない

 慰安婦問題の日韓合意について、韓国外務省の作業部会が検証結果を公表した。

 予想されたことだが、合意の作成にあたり元慰安婦の「意見集約が不十分だった」と批判する内容である。

 そもそも、合意は「最終的かつ不可逆的な解決」を国家間で確認したものだ。北朝鮮が核・ミサイル開発の暴挙を繰り返す中、地域の安全保障に日韓関係改善が欠かせないとして交わされた。

 検証しようがしまいが、合意は変わりようのないものである。日本大使館前の慰安婦像を撤去しないなど、課題を先送りしているのは韓国側だ。国内向けの時間稼ぎは終わりにしてもらいたい。

 一昨年の日韓合意の時点で存命していた元慰安婦47人のうち、7割を超える人が日本政府が拠出した10億円による財団の支援事業を受け入れている。

 韓国政府はこの事実を無視するのか。康京和外相は検証結果を踏まえ「根拠を持ち議論できる」というが、「根拠」が誤りでは話にならない。

 「国民の70%が受け入れられない」と、世論も言い訳にする。これまで国内対応を怠ってきたことが招いた状況なのである。

 昭和40年の日韓国交正常化に伴う協定で、戦後賠償の問題は解決済みと明記された。日本は無償供与3億ドルと政府借款2億ドルの経済協力などをし、韓国は奇跡といわれる経済復興を果たした。日本側の拠出金には個人の補償問題の解決金が含まれている。

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