理研が語る

昆虫の思春期、最適なタイミングを追求すると…生き物から学ぶセオリー

 さて、こういう計算には、最適制御理論というものを使う。これはもともと冷戦時代、ミサイルの軌道を制御するため、米国とソ連がそれぞれ独自に開発に取り組んだ理論だ。蓋を開けてみれば、どちらの国も数学的には同じ理論を作っていたというのだから、これも一種の収斂である。

 このように、最適を追求すると、みんな同じところにたどり着く。生き物から学んだセオリーが、人間社会で役に立つことがあっても不思議ではないだろう。

 廣中謙一(ひろなか・けんいち) 平成26年、九州大学大学院にて博士(理学)を取得。現在は日本学術振興会特別研究員として大阪大学に所属しつつ、理研多細胞システム形成研究センター(CDB)で客員研究員を兼任。研究テーマは生物のサイズ制御についての理論構築。趣味は映画鑑賞、ボルダリング、クラフトビールの飲み比べなど。