四国の議論

サル山の「ボス争い」はどうやって起きるのか…なぜか重なる政権交代と人間の選挙イヤー

 9代目が飼育員に看取られたのは10月17日。10日に公示された衆院選の真っただ中だったことはB群政権交代のいつもの偶然ともいえた。しかし、この日に政権を継いだ10代目は、なぜか衆院選投開票日の22日を待たずに姿を見せなくなった。最後に確認されたのが19日というから、わずか3日の天下だった。

 棚ぼた式、いや心太(ところてん)式にボスの座に就いた11代目はくしくもB群唯一の大人オス。西尾さんは「11代目はつい2年前までは第7位だった。大人オスが6匹いるA群と比べて群れにまとまりがなくなることが心配」と話す。

 晩秋には、交尾期で盛んに群れに近づく2匹の離れオスがいる。このうち強い方は群れに交じって餌を食べているが、今のところ11代目には遠慮して近づかない。しかし離れオスがボスとなったマッチョの例もあり、油断ならない。離れオスが群れに加入していずれはボスの座に昇り詰める高崎山の例もある。

 飼育員らは11代目の手腕に不安を抱え、メスをめぐる争いごとなど群れの秩序の乱れを心配している。

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