四国の議論

サル山の「ボス争い」はどうやって起きるのか…なぜか重なる政権交代と人間の選挙イヤー

【四国の議論】サル山の「ボス争い」はどうやって起きるのか…なぜか重なる政権交代と人間の選挙イヤー
【四国の議論】サル山の「ボス争い」はどうやって起きるのか…なぜか重なる政権交代と人間の選挙イヤー
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 衆院選が行われた10月、香川県の小豆島でサル山の政権交代があった。野生ニホンザルに餌付けをしている観光スポット「銚子渓自然動物園『お猿の国』」=同県土庄町(とのしょうちょう)=で新ボスが誕生したのだ。不思議なのは、同園で過去に話題となった交代劇はなぜか衆院選や統一地方選など大きな選挙の年に起きている。今回は衆院選の最中、新ボスが誕生したと思ったら3日天下で政権を明け渡す「2度の交代劇」という珍事だった。

政権交代の舞台

 小豆島では土庄町肥土山の銚子渓(標高約350メートル)一帯に生息する「銚子渓ニホンザル群」(昭和31年指定)と、小豆島町の景勝地、寒霞渓(かんかけい)一帯の「老杉洞(ろうさんどう)のニホンザル群」(同32年指定)が県の天然記念物で、政権交代劇は、銚子渓にいるA群(約300匹)とB群(約200匹)のうちのB群で起こった。

 「お猿の国」では31年に餌付けを始め、周辺を整備して同年4月に観光施設として開園した。当時、山側を根城にしていた群れを「上群」(現A群)、谷側に集まる群れを「下群」(現B群)と呼び、歴代、A群のボス(第1位オス)を「団十郎」、B群のボスを「ヒトラー」と呼んだ。ヒトラーは後に平和のイメージがある小豆島にふさわしくないと「トラ」に改められて現在に至っている。

銚子渓のオスザル

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