浪速風

歩夢ちゃんにサンタは来なかった 大阪・箕面の虐待死事件、兆候はあったのに…

男児が死亡した部屋へと続く階段には規制線が張られた=26日、大阪府箕面市(渡辺恭晃撮影)
男児が死亡した部屋へと続く階段には規制線が張られた=26日、大阪府箕面市(渡辺恭晃撮影)

わが子と初めて対面した日を思い出す。新生児室のガラス越しに声をかけた。「僕のところに生まれてきてくれて、ありがとう」。あの感動は忘れられない。男でもそうなのだから、おなかを痛めた母親はなおさらだろうに。やりきれない事件がまた起きてしまった。

▶クリスマスイブの夜に亡くなった箕面市の筒井歩夢(あゆむ)ちゃん(4)が不憫(ふびん)でならない。母親と交際相手ら3人が殺人容疑で逮捕された。「死ぬんじゃないかと思っていた」というから、ひどい暴行だったのだろう。兆候はあった。通っていた市立保育所を休みがちになり、担任が家庭訪問すると、弟の左頬にあざがあったという。

▶「階段から落ちた」という母親の説明をうのみにしたが、虐待を疑っていれば…。いつもそうなのだ。保護して、親から引き離さなければ、虐待死はなくならない。児童相談所や警察など関係機関の協力と、法整備が急務だ。児童虐待の件数は年々、過去最多を更新している。