アベノミクス5年 景気拡大は戦後2位、消費になお弱さ

 ただ個人消費が弱い。今年10月の消費支出(2人以上世帯)は28万2872円と発足時の32万5492円を大きく下回った。

 理由の一つが賃上げが弱いことだ。みずほ総合研究所の酒井才介主任エコノミストは「企業は、長年デフレが続き物価を上げられない中、賃上げしても収益が圧迫されるだけだと恐れている。雇用慣行上、いったん上げた賃金を下げづらいことも大きい」と指摘。柔軟に設定できる賃金体系の導入などが必要だとする。

 一方、内閣府が18歳以上の国民に行った世論調査では、不安を感じることの最多が「老後の生活設計について」(53・5%)、政府への要望で最多が「医療・年金等の社会保障の整備」(65・1%)だった。市場関係者は社会保障制度への将来不安も消費が盛り上がらない理由とみる。モノが売れなければ企業も値上げできない。消費喚起へどこまで有効な対策を打てるかが、デフレ脱却に向けて重要となる。(山口暢彦)