正論

日本人が持ち合わせる「人類最強」の性質とは… 動物行動学研究家、エッセイスト・竹内久美子

 たとえば、チンパンジーと人間とを比べてみる。チンパンジーは生まれてたった数年で、まだ子供であるにもかかわらず、深いシワを刻んだ老人のような風体になってしまう。ところがわれわれは、個人差はあるとはいえ、何十年にもわたり若さを保ち続ける。ネオテニーのおかげだ。

 しかも、アジア人(モンゴロイド)は、特に強くネオテニーが起きていて、中でもアジアの東端に位置する日本人は超ネオテニー人間と言っていい。日本人が欧米などを旅行すると、「この店は未成年者、おことわりですよ」などと誤解されるのもネオテニーのゆえである。

 ネオテニーはイヌで見たように、外見だけでなく性質についても起こる。その際、ペットのようにかわいいものにメロメロになってしまう性質も含まれる。

 実際、日本人のペットに対するかわいがり方が欧米人に批判されている。甘やかしすぎ、人間との線引きがあいまい、などだ。欧米人の夫婦が厳しくしつけたイヌを日本人の夫婦に1日預けたら、すっかりダメイヌになって戻ってきたという話があるくらいである。

 しかし考えてみるがいい。今や、「KAWAII」は、「SAMURAI」や「NINJA」と同様、世界的に通ずる言葉となった。東京の秋葉原や原宿、私が住む京都も、日本のかわいい文化を求めて来日した観光客でごった返している。

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