浪速風

名君の系譜は「だんじり祭」を残したが…潔いと思いきや出直し選出馬表明、今度こそ名君を選ばねば

議長室に向かう信貴芳則市長=21日午前、大阪府岸和田市役所(前川純一郎撮影)
議長室に向かう信貴芳則市長=21日午前、大阪府岸和田市役所(前川純一郎撮影)

和泉岸和田藩の初代藩主、岡部宣勝(のぶかつ)は名君の誉れが高い。前領主の重税に苦しんだ領民たちが強訴や一揆を起こそうと企てたが、宣勝は代表者から窮状を聞き、3千石を領民に分配することで一揆を未然に防いだ。「岸和田だんじり祭」は、3代長泰(ながやす)が五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した稲荷祭が起源とされる。

▶市長といえば現代の藩主だが、とても名君とは呼べない。4年前の市長選で推薦を得るため自民党関係者に200万円を提供した問題で、信貴(しぎ)芳則市長が辞職願を市議会議長に提出した。潔いと思いきや、「引き続き市政を担う資格があるかどうか信を問いたい」と再び立候補を明言した。

▶あきれるほかない。1カ月前に再選されたばかりで、出直し選挙には多額の費用がかかる。もちろん市民の税金である。だんじり祭が終わるとすぐに翌年の準備が始まるという岸和田だが、しばし祭りから離れて「政治とカネ」に関心を寄せるべきだ。今度こそ名君を選ばなければ。