阿比留瑠比の極言御免

訪中団、邦人解放要求せねば「子供の使い」と変わらぬ…日韓議連を反面教師に

 「訪中しては日本の時の首相の悪口などを言いふらす2人を、中国側は表向きは歓待しつつ、実は軽蔑していた」

 外国に行って自国や自国の指導者をおとしめるような人物は、都合よく利用はされても決して尊敬はされない。むしろ、自国の主張を堂々と展開してこそ、一目置かれるものだろう。

 平成18年から開かれている日中与党交流協議会をめぐっては、もともと幹事長級が団長を務める日本側メンバーに比べ、中国側団員の地位が低いアンバランスが指摘されてきた。

 近年は日本世論もだいぶ様変わりしてきたものの、日本は昭和47年の日中国交正常化以降、過去への贖罪意識も手伝って「日中友好」という4文字に呪縛され、言うべきことも言えずにいた歴史がある。

 「日本外交は日中友好至上主義といってもいい。そして友好に反することは何かというと、それは専ら中国が決めてきた」

 安倍晋三首相は、首相再登板前にこう語っていた。中国に「位負け」していたかつての議員外交とは、とっくの昔に決別すべき段階を迎えている。

(論説委員兼政治部編集委員)

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