浪速風

首かしげる元横綱に「引退勧告相当」

起きてしまったことは取り返しがつかないが、不祥事によるダメージを拡大させないのが危機管理の要諦である。迅速、的確な対応が求められる。具体的な流れは、事実関係の十分な調査→不祥事の原因の分析→再発防止策の決定→処分の実施→関係官庁への報告と報道発表。

▶後藤啓二弁護士の「企業コンプライアンス」(文春新書)より。日本相撲協会は落第と言わざるをえない。元横綱の日馬富士の暴行事件で、ようやく関係者の処分を発表した。徹底した調査が行われたのか、原因は究明されたのか、疑問が残る。処分も、すでに引退した元横綱に「引退勧告相当」とは、首をかしげる。

▶「今後の処分基準を明示する必要がある」としたのは、再発防止策のつもりか。これで「無理へんにげんこつ」の体質が改革できるのか。世間とのズレは、盛り上がった相撲人気に水をさしかねない。なにより、問題に火をつけた貴乃花親方の不可解な沈黙が理解できない。