外交文書

冷戦初期、米高官「日本は西太平洋の強国に」 憲法改正の必要性も強調

ジョン・ダレス(米国の元国務長官・政治家・国際連合設立に参画)
ジョン・ダレス(米国の元国務長官・政治家・国際連合設立に参画)

 ダレス米国務長官が昭和31年3月の来日時、西太平洋における日本の役割について「強国となることが始めからの米国の希望するところだ」と述べていた。日本の役割拡大のため「憲法は改正する必要があると自分は考える」と主張し、日米同盟を相互防衛型にする意向も示していた。

 ダレス氏は日米同盟や米韓同盟などアジア太平洋地域の同盟網形成に尽力し、「条約マニア」とも呼ばれる。31年3月18日に行われた重光葵外相らとの会談では、米国のアジア戦略についても詳細に語っていた。

 ダレス氏は米国の外交政策について「西半球(南北アメリカ)に専制の実現せざること」を最重視する考えを表明。アジア戦略に関しては「敵対勢力が太平洋の反対岸を支配せざることを目的としている」と述べた。その上で「日本が世界の進化の責任を再び西太平洋方面において担うことを衷心より希望する」と強調した。

 米国内では西半球の地域覇権を維持する一方、アジアや欧州で覇権国台頭を防ぐ責任を地域大国に担わせる「オフショア・バランシング」論が一定の影響力を持っている。ダレス氏も31年3月の来日時にこうした考え方を明確に述べており、現在のトランプ米政権のアジア戦略を読み解く上で参考になりそうだ。

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