努力が報われる社会を望む人々
少し前に読んだ本の中に意外なことが書かれていた。この本は格差と市場経済の関係について考える本であった。
所得格差が大きい米国についてどのような記述があるのか興味深く読んだ。意外なことに、米国のアフリカ系市民の中には、共和党の支持者がそれなりに多いというのだ。アフリカ系の人たちといえば、白人に比べて一般的に所得の低い人が多い。しかし、貧困層に優しい政策を訴える民主党を支持する人ばかり、というわけではないという。
所得分配よりは経済活力を重視し、富裕層を大切にするようなイメージが強い共和党を支持する人が案外、多いというのだ。
この著者の解釈は次のようなものだった。アフリカ系の人たちの中には、今は貧しくても将来豊かになる可能性があることが重要だと考える人もいる。
今は貧しくても、プロ野球選手や歌手などになって、大金持ちになる人も多くいる。才能があれば、あるいは努力をすれば、それが報われるような社会がよいというのだ。