地元産原料の日本酒・焼酎続々 三重の味広くアピール

 県内で地元産の原料にこだわった酒が師走に入って続々と仕上がり、人気を呼んでいる。志摩市特産の天日干しの芋を使った焼酎「志州隼人(ししゅうはやと)」や、初めて鈴鹿の米だけで造った日本酒「鈴海山(すずかいざん)」が店頭に並び、三重の味を広くアピール。一方、四日市市では市内5軒の酒店だけが販売する地産地消の日本酒「まるごと四日市の酒 MARU-YON」は、早くも完売間近という人気だ。

 「志州隼人」は、ハヤトイモ(隼人芋)を煮て皮をむき、天日干しにした特産品「きんこ」を主原料に、伊勢市の酒造メーカー「伊勢萬」が製造。今年は「きんこ」だけを使う「ゴールド」600本(720ミリリットル)と、加工の際にでる皮も使った「スタンダード」3千本(同)を13日から販売している。

 きんこの知名度を広めようと志摩商工会が中心になって企画し、今年で7年目。志摩市阿児町鵜方の酒店「カネカ」の吉田五十三社長(74)は「年によって味が違い熟成もされるので、式年遷宮やサミットの年の志州隼人をビンテージとして味わう楽しみもある」と話す。

 「鈴海山」は、JA鈴鹿が米作りを中心とした農業が盛んであることをPRしていこうと開発。JA鈴鹿農産物直売所で7日から3千本を販売し好評という。

 「まるごと四日市の酒 MARU-YON」は、四日市市保々地区で栽培されている酒米「神の穂」を使い、同市桜町の伊藤酒造が醸造。出荷先は四日市市内に限定し、16日に720ミリリットル瓶を約600本、一升瓶を約800本売り出したが、18日時点で残りわずかという。

 「まるごと四日市の酒」実行委員会のメンバーの酒店主は「これまでは地産はあったが、完全な地消がなかった。四日市で生産されたものを四日市で消費することが重要」と話す。

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