1人の男性を4人で取り囲み、両手を粘着テープで緊縛して長時間監禁し、さらには2千万円を奪い取ろうとした-。こうした強盗致傷事件で、犯人グループの主犯格の男2人が起訴された。状況だけを見ると、凶悪な犯行だが、大阪地裁で11〜12月に開かれた裁判員裁判で下された判決は、求刑を大きく下回る執行猶予付き判決だった。量刑判断の分かれ目となったのは、事件のある背景が大きく影響しているという。
15時間の監禁
2人は大阪市生野区の飲食業の被告A(31)と、友人で同市西区の会社役員の被告B(34)。強盗致傷、営利目的略取、監禁致傷(Aはこれに加え住居侵入、窃盗)という、多数の罪名で起訴された。主な起訴内容は次のようなものだ。
《2人は別の男2人と共謀し、平成28年7月14日午前1時半ごろ、大阪市天王寺区内のラブホテルで、当時39歳の被害男性を取り囲み、被告Aの車に連れ込んだ。4人のうち1人はポリ袋をかぶせたモデルガンを持って、被害男性に見せていた》
《車内では被告Aの指示で、粘着テープで被害男性の両目を目隠しし、両手首を緊縛。同市内の被告Bが経営する会社事務所に連れて行くまでの間に暴行した》
《事務所で被告Aらは「どうやってカタつけんねん」「なんぼ用意できんねん」などと迫った》