「池袋という小さな町の抗争だが、そこで起きていることは、世界各地で起きている戦争の始まりと同じ。赤と青の色の違いは肌の色の違いを、線路をはさんで赤と青が分かれているという設定は国境を表しているのかもしれない。世界レベルの話に置き換えて考えてみてほしい。そんなメッセージが通じやすいエピソードだと思う」
とはいえ、テーマ性の強い、重いだけのミュージカルではなさそうだ。
ミュージカルは3本目の出演になる大野は「日常生活で、自分の気持ちを歌に乗せて伝えることはない。でも、ミュージカルはそれを成立させている非日常のエンターテインメントだから、日々の疲れが吹き飛ぶ。マコトら一人一人の登場人物の持つカリスマ性が伝わったら、僕の勝ち。新たな伝説を生み出します」と言葉に力を込める。
杉原は「(ダンスの振り付け担当の)北尾亘さんは、コンテンポラリー、クラシック、ヒップホップなど、いろいろなダンスをミックスしてシーンによって使い分ける。意表を突かれるが、あとから『なるほど』と納得する独特の振り付けになっています」と、オリジナリティーあふれるダンスにも手応えを感じている。