【南京=河崎真澄、北京=桜井紀雄】中国中央テレビ(CCTV)などによると、日中戦争時の1937年に旧日本軍による南京占領で起きたとされる「南京事件」から80年となった13日、江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」で追悼式典が行われた。
式典では兪正声・中国人民政治協商会議(政協)主席が演説し、「日本の侵略者に30万人の同胞が痛ましく殺戮(さつりく)され、無数の婦女や子供が蹂躙(じゅうりん)された」などと主張。歴史認識をめぐり日本を強く牽制(けんせい)した。
習近平国家主席も3年ぶりに出席したが、演説は行わなかった。対日関係改善も模索する習氏が一定の対日配慮を示した形だ。兪氏は「両国は平和と友好、協力という前提の下で、人類の平和に共同で貢献すべきだ」とも付け加えた。
南京事件の犠牲者数をめぐっては、日中で見解が大きく異なる。習指導部は追悼式典などを通じて、歴史認識で中国の主張を国際社会に浸透させる戦術だ。