子供の貧困 「世代超え連鎖」9割超 神奈川県意識調査 支援職員ら認識

 県が実施した子供の支援に携わる職員らを対象にした意識調査で「子供の貧困は世代を超えて連鎖する」とした回答が9割を超えていたことが11日、分かった。支援に当たって困難だと感じていることに関しては「複雑な問題が絡み合っており、1つの機関だけでは対応できない」との回答が67・7%と最も多く、学校や市町村、児童相談所など関係機関との密な情報共有が改めて重要性を増しそうだ。

 調査結果によると、「子供の貧困が世代を超えて連鎖することが多いと思うか」との問いに対して「そう思う」が58・1%、「ある程度連鎖することが多いと思う」とした36・6%を加えると94・7%を占めた。家庭に関する問題については「親自身が経済的困窮や複雑な家庭環境で育った」が57・4%、「再婚相手や同居するパートナーが何度かかわっている」が43・6%に上った。

 ◆住居が適切でない

 子供の抱える問題も深刻だ。「貧困状況にある子供はどのような面で困難を抱えているのか」との問いでは、心身の発達に必要な生活習慣や食事の提供がされていない(55・8%)が最も多く、学習についていけない(49・5%)▽自己肯定感・自尊感情が低い(45・5%)▽将来に目標が持てない(39・3%)▽心の状態が不安定(36・6%)-などと続いた。

 「貧困状況にある子供で気になる点」については、「住居が子供の育つ環境として適切でない」が65・7%に上り、十分な教育を受けられていない(61・4%)▽体や髪が清潔に保たれていない(59・1%)▽食事を十分にとれていない(56・8%)-などが続き、医療機関にかかるのを控えている(32・7%)といったケースもあった。

 また、学校生活においても影響が出ており、「学校の授業についていけない」が68・6%を占め、引きこもりや不登校など学校になじめない(65・7%)▽いじめを受けた(42・2%)▽自傷行為をしたことがある(12・2%)-などとなった。

 ◆信頼関係構築に壁

 一方で、支援に当たって困難だと感じていることは、ほかに「保護者との接触や信頼関係づくり」(59・1%)や「周囲の理解」(24・8%)といった意見もあり、「現状を改善するため、子供にどのような支援が必要か」との問いでは「進学・就労の相談窓口や経済的支援」が51・5%で、学習支援(48・8%)や「子ども食堂」などの居場所確保(42・2%)などが続いた。

 平成28年国民生活基礎調査の結果によると、平均的な生活水準の半分未満で暮らす17歳以下の子供の割合を示す「子どもの貧困率」は27年時点で13・9%となり、7人に1人の子供が貧困状況にある。県内の子供の貧困率は把握できていないが、「貧困が連鎖しないよう、教育や経済支援といった総合的な対策が必要だ」としている。

 調査は今年6〜7月にかけて、県内で子供の支援に関わる職員ら約2千人に対し、インターネットで行った。回答件数は303件だった。