首温活を推奨する順天堂大医学部の小林弘幸教授は、「現代社会はストレスからアクセル(交感神経)を踏みっぱなしの状態に陥りがちで、夜遅くになっても眠れないなど、さまざまな不調の原因になっている。太い血管と自律神経が集まる首を温めて気持ちよくすることで効率的に副交感神経を上げ、ブレーキをかけることが大切です」と話す。
パナソニックが10月に発売した高周波治療器「コリコラン」は、勤務中に首にかけるIDカードのストラップに治療器を取り付けることができる。「こりや痛みに悩む人ほど多忙で通院できないのが実情ですが、これならば仕事中も『ながら治療』ができます」。そんな担当者の説明に、副交感神経を優位に導くのが難しい、今どきのお仕事事情が頭をめぐった。
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●睡眠負債=睡眠不足が借金のように積み重なる状態。心身に悪影響を及ぼすとされ、仕事の効率低下や、がんなど病気のリスクが高まる可能性も指摘されている。「2017ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンにも入った。
●自律神経=末梢神経のひとつ。意志とは無関係に作用する神経で、消化器・血管系・内分泌腺・生殖器などの不随意器官の機能を促進または抑制し調節する。交感神経と副交感神経に分かれ、両者が拮抗(きっこう)的に働く。