阿比留瑠比の極言御免

朝日新聞の抗議、いつか見た光景 3年前の「吉田調書」は謝罪・記事取り消し…モリカケは?

文芸評論家の小川栄太郎氏(佐藤徳昭撮影)
文芸評論家の小川栄太郎氏(佐藤徳昭撮影)

 いつか見たような展開だな、それにしても朝日新聞は本当に抗議が好きなのだな、と感じている。朝日が『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』の著者で、文芸評論家の小川栄太郎氏に謝罪や訂正、賠償を求める申入書を送っていた件についてである。

 これを受けて小川氏が5日付で「朝日新聞よ、新聞社として恥を知りなさい」と題した丁寧な回答を送ったところ、朝日は7日付朝刊に「回答の内容は承服できません。今後の対応について、弊社で検討いたします」との広報部コメントを掲載した。

 こうした一連のやりとりを通じ、筆者自身も関わった3年前の出来事を思い返したのだった。

「抗議自体が誤り…」

 朝日は平成26年5月20日付朝刊1面トップで、東京電力福島第1原発事故発生時の所長だった吉田昌郎氏の「聴取結果書」(吉田調書)を入手したとして、それに基づき「所長命令に違反 原発撤退」「福島第1 所員の9割」と報じた。

 これに対し、やはり吉田調書を入手した産経新聞は8月18日付朝刊1面トップで「『全面撤退』明確に否定 命令違反の撤退なし」と書いた。また、3面にジャーナリストの門田隆将氏の寄稿「朝日は事実曲げてまで日本人おとしめたいのか」を掲載したところ、朝日が本紙東京編集局長と門田氏あてに、名誉と信用を傷つけられたと抗議書を送りつけてきたのである。

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