「知事、私たちは明確にその判断を誤った」。8日に開かれた東京都議会の一般質問で、小池百合子知事と衆院選を機にたもとを分かった音喜多駿都議(かがやけ Tokyo)が築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題に関する小池氏の政策決定を批判し、方針転換を注文する一幕があった。
音喜多氏が移転問題の停滞を指摘した上で「私自身もあやまちを認める。申し訳ありませんでした」と頭を下げると、小池氏は苦笑い。自民党都議から「その通り」などの声が上がる一方、古巣の「都民ファーストの会」の都議からは「批判するだけなら簡単だ」など批判が相次いだ。
音喜多氏は昨年の知事選で小池氏を支援し、「都民」の結成メンバー。市場移転問題で小池氏が掲げた豊洲移転・築地再開発の基本方針を支持する立場で今夏の都議選に臨んだ。
しかし、豊洲市場内の観光拠点「千客万来施設」整備の事業者「万葉倶楽部」(神奈川県)が、築地再開発で採算が取れなくなる可能性があるとして、撤退を含め対応を検討。江東区も現状での市場受け入れに懸念を表明し、移転問題は停滞している。