関西の議論

1日に2軒消える京都の町家、市の奥の手保全条例の効果は

【関西の議論】1日に2軒消える京都の町家、市の奥の手保全条例の効果は
【関西の議論】1日に2軒消える京都の町家、市の奥の手保全条例の効果は
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 京都市中心部に数多く残る「町家」。京都ならではの歴史や文化を反映した建築物で、いわば「京都の代名詞」のような存在だ。だが、こうした京町家が姿を消す動きが加速している。インバウンド(訪日外国人)の増加などにより、ホテルの建設用地として売却されるケースが増えているためだ。こうした流れに歯止めをかけようと、京都市は今秋、保全条例を制定。取り壊し時の届け出を努力義務にするなど町家の所有者の責任を明確にし、解体から活用への支援に乗り出した。しかし、所有者たちからは「財政支援の額が少なく、とても維持できない」などの声も上がり、1日2軒の割合で消えている。保全に妙手はないのか-。(田中幸美)

改修し設計事務所に

 550年前の応仁の乱で、西軍率いる山名宗全が戦陣を置いたことに由来する京都市北西部一帯の「西陣」。現在は織物の町として知られる。

 設計事務所「もえぎ設計」顧問、久永雅敏さん(69)は5年前、西陣地域の中でも帯生産の中心地となった笹屋通にたたずむ町家に出合った。軒の低い2階、虫籠窓(むしこまど)や糸屋格子と呼ばれる出格子などのある表構えから100年以上経過していると思われる建物だ。力強い木の軸組みとダイナミックな吹き抜け、明るい庭などに魅力を感じたという。

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