関西の議論

「ゴミから多額の現金」事例続々…孤独死、タンス預金、問われる家族のあり方

【関西の議論】「ゴミから多額の現金」事例続々…孤独死、タンス預金、問われる家族のあり方
【関西の議論】「ゴミから多額の現金」事例続々…孤独死、タンス預金、問われる家族のあり方
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 ゴミ捨て場処理場から高額の現金が見つかるニュースが相次いでいる。5月に奈良県で2千万円、11月には京都市でも1200万円がそれぞれ現金で見つかり拾得物として届けられたが、持ち主不明のまま。いずれも故意に捨てられた可能性は低く、現金が捨てられた理由は謎に包まれている。背景を探ってみると、「核家族」「孤独死」「タンス預金」など、高齢者の生活環境をとりまくいくつかのキーワードが浮上する。なぜ、現金は捨てられるのか-。高齢化社会の中で、家族のあり方が問われている。(今村義明)

「誤って捨てた」と遺族…現金が“ゴミ”に

 11月9日、京都市伏見区の民間廃棄物処理施設で、ゴミの分別作業をしていた従業員が袋に入った大量の一万円札を発見し、京都府警に届け出た。現金はすべて一万円札で、その額は実に約1200万円。これまでに「親族の遺品ではないか」など数件の問い合わせがあったが、持ち主の特定までには至っていないという。

 同じ日には富山市内の処理場で複数のレジ袋から現金約1700万円が見つかった。同市内では、10月にも廃材の中からカバンに入った現金1千万円も見つかっているが、どちらも落とし主は不明のままだ。

 4月に群馬県沼田市のゴミ収集会社の敷地で見つかった現金4千万円については、帯封の日付と金額、銀行の出金履歴が一致したことから持ち主が特定された。しかし、持ち主はすでに死亡しており、相続人の遺族に返された。遺族は「誤って遺品とともに捨ててしまった」と説明している。

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