一般的にスパコンの寿命は5、6年とされる。技術の進歩が速いため、そのくらいのペースで入れ替えていかないと陳腐化してしまうからだ。「京」は正式な共用開始から4年半、試験的な運用も含めるとすでにほぼ6年が経過しているが、HPCGとGraph500という2つの著名なベンチマーク(性能を測るためのプログラム)の最新ランキングで世界一である。陳腐化どころか今も現役バリバリで働き盛りな「京」は、私たちの大きな誇りである。
その能力をすべての利用者の方々に余すところなく使ってもらえるように、私たちは今日も「京」のお世話にいそしむ。いつか「京」がその役目を終えるその時まで。
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庄司文由(しょうじ・ふみよし) 理研計算科学研究機構(AICS)運用技術部門長。平成10年、金沢大学大学院自然科学研究科単位取得退学。博士(理学)。広島大学、理研次世代スパコン開発実施本部を経て、26年から現職。「京」および「京」の稼働を支える施設の運用と高度化に従事している。