高校歴史用語に「従軍慰安婦」 教科書向け精選案「南京大虐殺」も

 会長の油井大三郎東大名誉教授は「時代の大きな流れなどに注目した概念用語を明確にし、その説明に必要な事実用語を残した。外れた用語を教科書に載せることは否定しない」とする。研究会は年度内の最終案とりまとめに向け、ウェブサイトでアンケートを実施中で、油井氏は「調査に予断を与えかねない」として、個別の精選基準に関するコメントを控えた。最終案は教科書会社や入試関係者に提言する。

 用語の採用は教科書会社の判断だが、油井氏が中央教育審議会元委員で教科書執筆経験もある上、歴史用語を多面的な考察につながる概念に整理するよう促した中教審の平成28年の答申に沿っており、一定の影響を与えるとみられている。

 教科書事情に詳しい八木秀次麗澤大教授は「用語の増加は中学でも問題になっている。何を教え何を教えないかの基準に幅広い合意を得られれば、教科書執筆者に影響を与えるだろう。特定の思想が反映されないよう、より多くの異なる立場の人々の判断を仰ぐことが重要だ」と話している。

 ■高校の歴史科目 平成34年度に施行される予定の次期学習指導要領で、近代以降の日本史と世界史を融合した新しい必修科目「歴史総合」と選択科目の「日本史探究」「世界史探究」に再編される。28年12月の中教審の答申では、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の導入に向け、教科書で扱われる用語について、必要な概念などを明確化して整理することが明記された。

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