そこで浮上したのが、「31年4月末譲位・5月1日改元」案だった。4月29日は昭和天皇の誕生日である「昭和の日」があり、その後大型連休となる。気候もよく祝賀ムードも醸成しやすい。首相は11月21日に天皇陛下に内奏した際、5月1日改元案の意味合いを切々と説明したとされる。
譲位日程は決まったとはいえ、即位の礼や大(だい)嘗(じょう)祭(さい)などの日程・段取りはなお決まっていない。官邸と宮内庁の静かなる攻防はなお続くだろう。将来の皇室のあり方を考える上でも、譲位問題は政府に多くの宿題を残した。(譲位問題取材班)