官邸は、平成31年元日に譲位・改元する案を内々に決めていた。国民生活への影響を最小限にできる上、「元号離れ」を食い止められると考えたからだ。
ところが、宮内庁は「元日は早朝から重要行事が続く」と反発した。官邸は「暮れに退位し、元日に改元」という妥協案を示したが、宮内庁はなお難色を示した。「天皇陛下は31年1月7日の昭和天皇崩御30年式年祭を自ら営みたいと望んでおられる」というのが、その理由だった。
これで元日改元案は消えた。代わりに宮内庁は「31年3月末譲位・4月1日改元」案を打診してきたが、今度は官邸が難色を示した。統一地方選の最中で政治的喧噪(けんそう)に巻き込まれる危険性があるからだ。