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災害の際に避難を呼びかけたり、医薬品を遠隔地に届けるため小型無人機「ドローン」を活用する動きが全国の自治体に広がっている。実験を重ね、ヘリコプターよりもスピーカーから発する音が聞こえやすいなど災害現場でのメリットが確認されている。各自治体のドローンの運用は遠隔操作をする人の目が届く範囲が基本だが、仙台市や浜松市は自動飛行や目視できない距離での運用を目指している。
音声警告のメリット
仙台市は、津波の際に海辺にいる人に避難を呼びかける活用が検討されている。全国瞬時警報システム(Jアラート)から大津波警報のメールを受信するとドローンは自動離陸し、セットしてあるルートを飛行する。スピーカーを通し自動音声で津波の危険を知らせるが、ヘリよりもローター音が小さいので聞こえやすいという。
人が操作しないので、夜間でも迅速に対応できる。これまでの実験で、30〜50メートルの高さで飛行するとよく聞こえることが確認されている。
同市危機管理課の武藤浩二主幹は「固定のスピーカーでも避難の広報はできるが、サーファーがいる海上など広範囲はカバーしきれないのでドローンは力を発揮しそう。常にスピーカーを設置するのではないので、景観を損ねないのもメリット」と話す。
ドローンは飛行しながら動画を撮影するが、逃げ遅れた人に向けてスピーカーから逃げる方向を指示する機能や、AI(人工知能)を使って人間を検知する技術の開発も進めている。