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「世界の記憶」は不公正? 却下される日本側申請→「南京」◎「通州・チベット」×

9条関連「審査しない」

 却下扱いされた案件は、ほかにもある。

 「明文化されていないルールで門前払いされた」とする代表者コメントを報道機関に出したのは、「憲法9条の発案者を幣原喜重郎元首相とする資料」の共同申請者(事務局・東京)だ。4月の暫定意見で政治的主張に当たるとされ、「審査しない」と通知されたとしている。

 現行憲法は連合国軍総司令部(GHQ)によって草案が作成されたが、戦争放棄と戦力の不保持を規定した9条をめぐっては、発案者を幣原とする説を唱える人もいる。今回の申請案件は、日米など3カ国計169人が「9条の発案者はGHQではなく日本人だったことを示す資料」として、日米の公文書館などの所蔵文書を共同申請した。

 申請者側によると、登録申請書を提出した際も、現行基準では添付を求められていない公文書館の同意書を、6日以内に提出するようにとの無理な要請をユネスコ側から受けたという。

 申請者側は「(現行基準は)『南京大虐殺』の資料が問題なく審査対象となったのと同じもの。審査しないのは不公正・不公平。日本政府の圧力を受けたユネスコの苦肉の策だ」と指摘している。批判の矛先を政府に向けているものの、ユネスコの審査に疑問を投げている点では同様だ。